国土交通省は22日、全国的な課題となっている空き家対策の素案を示しました。
壁に亀裂が入るなど管理が不十分な建物について固定資産税の優遇措置を見直し、事実上の増税を検討しています。
空き家の活用を促すための規制緩和も視野に入れ、地域特性を踏まえたまちづくりを後押しする為です。
同日の有識者会議で方向性が議論され2023年1月末に報告書がまとまります。
空き家対策特別措置法など関連法の改正をめざして具体策を詰めています。
住宅用地の固定資産税には特例で軽減措置が導入されている一方で倒壊する危険のある「特定空き家」は特例から外すことができます。
素案には特定空き家になる前の段階でも、管理不全の建物を対象に特例を解除する案が盛り込まれました。
屋根の一部や窓が損壊している建物を想定しています。
建築規制の緩和も焦点となっています。
中心市街地など一定区域に限定して規制を見直し、空き家を店舗やカフェに転用しやすくする手法などが念頭に置かれています。
自治体のモデル事業を指定して支援することも検討されています。
国交省によると全国の空き家は18年時点で849万戸あります。このうち賃貸・売却用などを除いた居住目的のない空き家は349万戸で急増しています。