【安く物件を買う「⑤つのポイント」】

自宅戦略を考えるヒント

【①中古マンションを買う】

先述のとおり、新築が高嶺の花となっている現状を受けて、いま注目されているのが、中古マンション(既存マンション)です。

なかには中古という響きだけで「建物のつくりは新築より劣る」と思い込んでいる方も多いです。

しかし、優良な中古マンションの資産価値は下がりにくく、新築と比べても劣ることがありません。

むしろ新築は再開発を除けば土地がなく、中古マンションの方が立地の良いところに買える可能性が高いです。

また新築価格の高騰によって、設備グレードを下げている新築マンションも出てきており、中古物件の方がグレードの高い可能性もあります。

新築と設備などが見劣りしない築浅の築5年以内で52.6万戸、築10年までだと105万戸とマンション全体の15.6%を占めています。

実際に2020年、首都圏の新築マンションの供給戸数2万7228戸に対して、中古マンションの成約件数は3万5825戸と中古マンションの方がよく売れています。

中古マンションの所有者は個人であることが多く、例えば売り急ぎなど個人の状況によっては、かなりお得な物件が出てくる可能性もあります。

ただし、中古マンションとひとくくりに言っても、未入居物件や築浅物件、築10年や20年、30年、40年、さらに築50年以上の築古マンションまで存在しています。

部屋の状況のほか、共用部分やマンションの管理状況をよく把握してから購入することをオススメします。

【②駅遠物件、駅や沿線をずらす】

いやいや、駅近物件が良いに決まっている、と思うかも知れません。

確かに、最寄り駅からの距離は、立地の良し悪しを表すバロメーターの一つとされ、「駅からの距離=徒歩分数」を周辺環境にかかわらず客観的指標として判断されます。

東京カンテイ(不動産情報サービス)が公表する「2020年、新築マンションの徒歩時間別供給シェア(首都圏)」によると、最寄り駅から徒歩3分以内は20.4%、4分~7分は31.9%、全体平均で7.4分とされています。

逆手に取ると平均分数以上の物件は、価格がぐっと低くなる傾向があります。

その中でも吉祥寺や北千住など、駅周辺に商店街がありそもそも住宅地まで距離があるようなエリアは、駅遠でも徒歩分数以上の価値があると判断されるため、オススメです。

ただし一般的に、駅近物件は価格が高く、駅から遠くなるにつれて価格が下がっていきますが、駅から遠い物件ほど、下落率も大きくなるといわれます。

すぐに買い換えを視野に入れている場合はご注意いただきたい。

また、あえて特急や急行が停まらない駅を選ぶのも手です。

特にコロナでテレワークが増え出勤回数が減ったご家庭にオススメです。さらに人気沿線ではなくこれから発展が見込まれる沿線を選択するというのも賢い選択です。

【③リノベーション物件を買う】

築10年を過ぎたあたりから、壁紙など一部リフォーム物件が売りに出てきます。

築30年~40年あたりの物件では、スケルトン状態にして水回りなどの設備から間取りまでフルリノベーションした物件も出ております。

駅近に新築同様のおしゃれな部屋に住める可能性があります。

近年リノベーション前提で物件選びをする方も増えておりの現況の中古物件を安く買い、浮いた予算で自分好みにリフォームやリノベーションするという手があります。

ただし、旧耐震基準で耐震化されていないマンションには注意が必要です。最近、頻発する地震や金融機関によっては、旧耐震物件というだけで、審査基準が厳しくなることもありますので耐震診断などマンション全体のチェックも必要です。

【④大規模マンションを狙う】

新築時は一定期間に一斉に売りに出されますが、

中古になると個々の事情にあわせて、歯抜けのようにバラバラと売りに出されてきます。

しかし大規模マンションの場合、同じマンション内での売り物件も多く一般的に希少性が薄れやすです。

そのため、似たような条件の部屋が複数売りに出されていると、早く売却したい場合などは値下げ合戦が起きるなど値崩れが起きやすい特徴があります。

むろん購入する側からすれば、○○○号室と悩んでいるといえば、値引き交渉がしやすいです。

また、マンション住まいの良さとして、集まって住むからこそ、スポーツジムなど共用施設が充実していたり、セキュリティが強かったりします。

大規模になればなるほど、一つの共用施設や設備に対する負担割合が減ります。

いっぽう戸数が少なすぎる小規模マンションでは、その費用を少ない住戸で負担しなければなりません。つまり、小規模マンションは毎月の管理費や修繕積立金が高額になりやすいのです。

毎月の住宅ローンの返済だけでも負担なのに、そこに高額な管理費等の負担がのしかかってくるというワケです。

さらに、戸数が少ないほど修繕積立金が貯まりにくいため、大規模修繕を実施する際に大幅値上げや一時金の徴収、果ては管理組合で借り入れ、ようやく返し終わったころに、次の大規模修繕の時期が訪れて……と悪循環に陥るケースもあります。

これらのことを考えても戸数の多い大規模マンションをオススメしたいです。

ただし、マンションの規模にかかわらず、機械式駐車場があり空きが多いマンション、スパや温泉などの温浴施設、カラオケなどの維持費がかかる設備がある物件は、細心の注意を払ってご検討ください。

【⑤値引き交渉をする】

物件価格は値引き交渉できる、というのをご存知でしょうか。

さすがに新築マンションで売りに出されたばかりの物件は難しいですが、再販物件やクリアランス物件などのいわゆる売れ残り物件なら可能性はあります。

また中古マンションで所有者が個人の場合、相手の懐具合や状況いかんでは可能性がぐっと高まります。

たとえば、買い替えで既に新しいマンションを買い、何が何でも来月までに売却しなければいけないとか、任意売却で期限が迫っているなど売り急いでいる場合です。

さらに、相続や贈与で取得したが、使用しない場合なども身銭を切っていないぶん値引きに応じてくれる可能性が高いです。

どれくらいが相場かというと、4980万円であれば端数切りの80万円や、部屋の状態にもよるが、販売価格の3~5%ぐらいまでが妥当。たとえば4980万円が3.6%引きの4800万円に値引きできたら、その差180万円はとても大きいです。

値引き交渉する際は、内見後に「とても気に入りました、予算を少しオーバーしているので歩み寄りをお願いできませんか?」といった伝え方や、「契約や引き渡し時期は、売主のご意向に合わせます」「ハウスクリーニングやリフォームは買主側で行います。現況で大丈夫です」など、お願いばかりじゃなく売主に有利になるような提示をしてあげると話が進みやすくなります。

ただし、当初から値引きを想定して価格設定している物件もあります。相場と比較して高いのか安いのか、パートナーの不動産会社と相談しながらよく見極めることが重要です。

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